フィギュアケースにシンクロナスモータ回転台を取り付ける

まず完成品はこちら

これが完成映像です。モータの音は殆ど聞こえませんがゼロではないです。
(カメラにマイクついてないので無音です)
エアコンやPCのファン音にかき消される程度の音。十分な静音性ですね。

中の構造の影響で多少振動があるのがわかりますが、ギリ合格点でしょうか。
あまり重いものを乗せるとモータとのジョイント金具の遊びが浮いてしまうようでカクカクした動作になります。
しかしモータが負荷に負けてるわけではなかったので、パワーは十分です。
あくまでも金具の遊びでカクついてる模様。

ちなみに、中に隠してあるスイッチを逆に倒せば回転が逆になります。
無駄な機能です。

今回の概要

以前制作しましたこちらのケース。
下部からの照明がウリでしたが、フィギュアの背面も見れたほうがディスプレイ的には良いだろうと思いまして下部を自動回転台へと改造することにしました。

今回は「シンクロナスモータ」というもので回転させることにしました。

シンクロナスモータとはなんなのか

知りません。
知らないんですけど、市販の自動回転台商品のレビューを見てて思いました。

「どうやらパワー不足の商品が多く、その上回転の騒音がひどいらしい」

パワー不足はまだ回れば良いのですが、騒音がひどいのはちょっと。
恐らくミニ四駆につかってるような結構早い回転数のモーターをギアボックスで速度を落としてるのでうるさいのではないかと。

いや、知らないんですけどね。

で、このシンクロナスモータ。パワーはそれほどあるわけではないらしいのですが、電子レンジや扇風機の首振りの機能に使われてるらしくとにかく静かだそうです。
それから、100V電源で動くそうなので特別な基板を設計したりする必要もありません。

詳しくはこちら
同期電動機(wikipediaリンク)

購入したモータ

amazonにて買いました。「uxcell AC同期モータ」という商品。中国から届きます。
毎分2回転がほしかったのですが、どうやら需要がないらしく1回転か3回転の商品が殆ど。
かろうじて2.5回転を見つけたので購入に至りました。

え、これコンセントにどうやってつなぐの?

線が4本でています。

よくネットで見かけるシンクロナスモータは端子が2本。そこをコンセントで直結するだけなんですが、どうしましょう。
コンデンサも一緒に梱包されています。

ここは必死に検索致しました。
そして、見つけました。

この画像に表示されてるモーターの形状が私が買ったものと目視でほぼ一致なので、これだと。

メーカー名が違うのですが、この型番がラベルとピタっと一致してますので、まさにこれでしょう。
僕が買ったのは日本に卸しているOEMかなんかでしょうか。まあ、気にしないで行きます。

4本も線があるのは、どうやら回転方向をスイッチで変更できるようですね。
このスイッチは「1回路2接点」と呼ばれるトグルスイッチのようです。
足が3本出てるやつですね。

シンクロナスモータにもいろいろあって、こちらも中にギアが入っていて回転数を調整しているみたいです。

ギアと聞くとどうしても騒音が出る不安があったのですがテストしてみると無音で正常に動作しました。よかった。

制作

早速木材から準備していきます。
5mm厚のMDFを適切なサイズにカット。
上の回転台の部分は「アガチス飾り台」の既製品です。
検索しても出ると思いますが、普通にホームセンターにも売ってるぐらいメジャーな商品です。
丸い台がよかったんですが、大きいサイズがなくて八角形にしました。

写真はすでに「水性オイルステイン」にて着色してあります。

ヤスリがけを心がけて

これは以前からの経験でわかったことですが、ヤスリがけはオイルステインによる着色の段階ですでにやっていったほうが良いと思います。

というのも、木というのはMDFであれ水分を吸収すると繊維が膨らんで板の上に細かい凹凸ができるようなのです。

この段階で触ってみればわかるのですがザラザラしてるはず。
このザラザラにニスを塗り重ねると目視でザラザラが確認できるほどひどくなります。

ステインは3回ほどに分けてますが、塗るたびにほんの1分もないぐらいでヤスリをかけました

回転台の金具

これもホームセンターで売ってます。500円しないかなと。
ただ、売ってないホームセンターもあった。あまり需要は高くなさそうです。

これ、ネジの溝のようなものがあるプレート(写真上側)と、ただ穴があいてるだけのプレートに分かれてますがどちらが上なんでしょうか?

指で押さえつけて回転させてみると、ネジの溝が入っている方を上にしたほうが(写真のまま)
静かに回ることがわかったのでこちらで固定することにしました。

ちょっと賢い人なら「え、これ2枚の板にどうやって固定するの!?」ってこの時点で疑問に思った方もいらっしゃるかなと思います。
最初の1枚はネジで簡単にとめれますが、2枚めを上からかぶせるとネジ穴が木の向こう側になるのでどうやって穴をあけるのか、という疑問ですね。
コレに関しては後ほど説明します。

塗装

今回も「水性オイルステイン」+「サンディングシーラー」+「水性ウレタンニス(つや消し)」を使用しました。

今回は仕上げに9800までコンパウンドで磨きましたが、ヤスリがけで失敗することがあるので
塗りっぱなしでも良いかと思います。水性ウレタンニスは塗りのムラが比較的少なく仕上がります。

ニスに関して、もしあなたが初心者でしたら間違いなくこの組み合わせをおすすめします。

水性ウレタンニスと違い油性ニスは安いですし耐久性もあってさらに仕上がりの美しさもトップクラスですが
塗るのがとてつもなく難しく、かなりの練習が必要になります。初心者は絶対に失敗します。ひどい見た目になります(ハケムラだらけ)
オマケに洗浄液を別途購入する必要があり、コストがかさみます。また素人DIYではハケが固まってしまう(水や洗剤ではニスが取りきれない)ので使い捨てになります。ニス自体は安いですがトータルコストは倍以上になる事もあり得ます。

一方水性ウレタンニスは油性ニスの2倍の値段しますが、ハケが何度も利用できますし溶剤も水でよし。とても手軽に使えます。

注意点ですが「水性ウレタンニス」であるのを確認してください。ウレタンです。
普通の「水性ニス」も利便性は同じですが、仕上がりがベタつくらしくテーブルやフィギュアケースには向かないのではと思います。

また、シーラーと水性オイルステインも対応のものを買いました。油性ニス向けの商品とはちょっと違うそうで。別のモノを塗り重ねるとどうなるかについては検証してないのであまり詳しくはわかりません。

サンディングシーラーとは何かというと下塗りの塗料です。コーティング能力はありませんがMDFのようにどんどん吸い込んでいく木材には特に効果的。2回も塗れば大丈夫かなと思います(僕はシーラーもニスもそれぞれ3回塗ってます)
シーラーなしでも全然可能なんですが、MDFがどんどんニスを吸い込んでいきますからその分吸い込ませるムダなニスが必要になります。
シーラーは安いですがニスは高いです。あとは、分かるな。
経済的にも仕上がり的にも美しくまとまるのです。

仕上がりについてですが、ウレタンニスでも十分美しいと思いますが、うまく塗れた油性ニスと比べるとこちらはビニールの膜を貼ったような安っぽさが少しあります。
ただ、直射日光に当てるぐらいの強い光でなければそれほど目立たないですね。

天板

まずは普通に下板に金具をいれて、中央をくりぬきました。
ドリルは2cmほどの大きな穴あけビットがあったのでそれで。
ビット1本千円などするのですが、たまーにつかうので買っておいてもいいかなと思います。

回転台は中央にこんなものをつけました。
パイプソケットとかブラケットとか言うみたいです。
DIY用のアルミパイプとかアングルとかがおいてあるコーナーの近くに200円ぐらいで売ってます。
なぜか木の手すりとか同じ構造で取り付ける材料が売っているコーナーにはおいてなですね。
探し回りました。

ここは実は結構悩みました。とにかくモーターからの動力をいかにして受けるかが問題です。
ラジコンパーツなんかでもいけると思いますが、手軽に手に入ってしかも安いのでこちらを。

天板2枚に回転台の金具をくっつける方法

これは意外に知られてませんね!
僕も色々調べてようやくわかりました。

まずは、この穴から下の板にキズ(マーキングとして)をつけてそこをドリルで穴を開けます(!?)

6ミリで開けました。ドライバーが余裕で入るほど大きなサイズが良いと思います。

もうここでどうするかわかった方は賢いですね。

はい、裏返してここの穴からドライバを入れて下の板にネジ止めできます。
穴が1コあいていれば、そのまま上の板を回転させて別のネジ穴まで移動して4箇所止めます。

簡単ですね。

電子回路を作成

まず右上の白いコードはコンセントから直接100Vが入ってきています。

それを一度「端子台」と呼ばれる物で固定しています(写真右上)
これはホームセンターの壁コンセントなどがおいてあるコーナーにあります。
足元のわかりにくい棚に入っていて相当探しました。
しかも袋なしで裸で売ってます。

電線は「裸圧着端子」と呼ばれるものでかしめていますが(工具が必要です)
これは電気工事基礎っぽいですし長くなるので知らない方、おググり下さるようお願い致します。

で、なんでこんなもんを入れるかという話ですね。

なくてもいいんですが、配線したあとでモーターの位置を変えたり、穴を大きく削ったりなどなど、後でケーブルが邪魔になることがよーくあるんです。

なので単なる取り外し用なんですが、本当にこれやっといてよかったです。

右下の基板は上で紹介したyoutubeの通りですが、線の途中で1Aのヒューズだけ入れました。
これは安全のためです。
基板は両面テープで固定する基板用のプラスチック台で浮かせて固定しています。
ヒューズはホームセンターでもてにはいりますが、基板や台、トグルスイッチなどは売ってないことが多いと思いますのでネット通販になります。

モータを固定している板の存在意義

これわからなかったら飛ばしてもらったほうが良いです。
今回僕の工作が「花台」の改造になるので、今回の工作品は
うえから乗せるだけの作品になります。

よく見るとモーターが回転台の天板じゃない木に固定されていますよね。

これは上の天板に穴が開けられない(見た目のため)なので二重構造にしています。

板は上から
台座→回転台金具→四角形の板→(ここは一切接合していない空間)→モータ固定用板→モータ
となっています。

わかりにくいと思います。わからないと思います。すいません。
このモータを固定している板は元々の「花台」についていた「フタ」です。

モータをとにかく何かに固定しないとモータ自体が回転してコードを巻き取ってしまいますからね。

要するにフタが二重構造になっているだけです。
みなさんが工作する場合は上からフタをするだけでなく横からも開いてメンテナンスできる構造にすると思うので、このような二重の蓋は必要無いかと思います。

モータから動力を天板に伝える方法

ココが一番難しいです。

とりあえず問題は一つ。回転台と天板の軸を完全に中央にするのは機械でもない限り不可能です。この作り方では必ず回転軸にズレができてしまう。
つまり軸とモータをガチガチに固定してしまうと壊れると思われます。
天板にネジを入れない方法も考えましたが、テストしてみると金具の傷跡がのこるので長期の使用を考えるとすり減り具合が不安なのでやめました。

アイデアとしては、回転台金具のような簡単に実装できる金具を使わないで
ボールキャスターのような物を埋め込んで天板の軸が中央からズレていても許容できる構造にしたほうが良いものが作れるかなと思います。

また「カップリング」と呼ばれる物があるそうで、これが軸のズレをある程度吸収する役割があるそうですが、僕は全く使ったことがなく知識もないのでやっていません。
次回の工作があるのでしたらコレを試すべきでしょうか。

ともかく今回はこれでいきますので
まずはシンプルに「モール(針金)」でモータと天板の金具を結んでテストします。

初めはこれで動作する予定でしたが、挙動がおかしいです。
天板が止まったり、早くなったりする。

これは、モールが柔らかいので回転軸のズレの影響で、負荷がかかるところはバネのようにモールが巻いて、負荷がかかっていないところで巻いたモールが巻き戻ることで発生するようです。

つまり、モータと天板の軸はある程度硬い素材で固定してやる必要がわかりました。

しかしここでもう一度思い出します。
あまり硬すぎると遊びがなく回転の歪みなどで壊れる可能性です。

というわけで、

写真がわかりにくいですが、こんな金具を買ってきました。
ホームセンターはカラビナやワイヤーフックなどがおいてるコーナーにあります。
U字の金具に横から棒を入れて固定する物です。本来何に使うかは知りません。

下のモータにはキーホルダーによくついてるリングを入れて、それをこの金具に接続しています。
今回のモータのシャフトは穴があったので。

こうやって金具を経由してやれば多少の遊びがあり、尚且つ硬さもありますので
巻き戻る心配は低いかと思います。

見えている4つのネジはモータを固定しているボルト。この板のすぐ下にモータがあることがわかります。

天板を裏返しにして、天板に固定したパイプソケットを露出します。
先程の金具のついてる板も裏返しにして上からゆっくりかぶせます。
奇跡的にこのU字の金具と、パイプソケットの金具のサイズがほぼピッタリでした。

このままいくと板と板の間に金具が来るので手がはいらない、つまり横の棒ネジが回せないのでは?
と思ってたんですが、ピンセットで回りました。
ごっつい金具ですが、固定ネジは本当にスムーズに入ります。

上にモータ、下に天板の逆になってますがこのように合体しました。
あとはモータが回って動力が回転台に伝わる仕組みです。

あとはこれをひっくり返して上からかぶせるだけです。
モータがボルトで浮いている箇所をもう一度ご覧ください。

モータをわざと下に浮かせているのは先程の金具が遊びすぎるとうまく回らない可能性があるので
蓋を固定したときにちょうど金具同士がまっすぐになる程度にモータを下にずらすためです。

完成写真

これにて完成です。
写真で見るとこんな感じの台座です

感想

単体ケース+照明付き+花台のように高さがある
という条件だけでも市販品では殆ど手に入らないと思いますが
今回それに自動回転台がついて完全に満足の行くものとなりました。

自動回転台はフィギュアの後ろ側の造形も堪能するためにあると思うのですが、
なんだかそれだけでなく世界観が広がるというか、
動かないものに動きが加わって、フィギュアを引き立てるアイテムになりました。
ビデオ制作などで被写体が動かない映像を撮影するときに、
カメラ自体が動いて見せるのと同じ効果でしょうね。
これは大きな発見でした。

これ以上のアップグレードは現状では想定できないですが、この構造を活かしてまたケースを作っていきたいと思います。

なお、今回写っているフィギュアは
オーキッドシード Tower of AION 天族 / シャドウウィング 1/7スケール」です。
実はゲームやったこと無いのですがデザインも造形も惚れしまいました。

長い文章読んでいただいてありがとうございました。

花台フィギュアケースの制作記事はこちらです

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